本研究は、飢餓時に起こるKDM2Aの調節機構を明らかにする目的で行った。その結果、グルコース飢餓、又はマイルドな2DG処理に応答し、AMPK活性を介してKDM2A依存的なrDNAプロモーターのH3K36me2脱メチル化、rRNA転写抑制が誘導される事が分かった。また、マイルドな2DG処理はKDM2A依存的な細胞増殖抑制を誘導する事、乳がんの悪性度に関わらず機構が存在している事が分かった。この結果は、細胞がマイルドな飢餓時から応答しrRNA転写、ひいては細胞増殖を調節しうる事、KDM2AによるrDNAクロマチン制御を通じて調節される事を示している。
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