本研究は、Wntシグナル伝達で特異的に機能する動的オリゴマー形成因子Coiled-coil DIX1(Ccd1)とAxinのDIXドメイン間で形成されるヘテロオリゴマーのX線結晶構造解析に向けた結晶調製法の検討とX線回折データの収集及び構造解析をおこなった。その結果、Ccd1-Axin複合体の結晶のX線回折能を改良することに成功して、分解能3.1オングストロームのX線回折データの収集に成功した。今後、構造決定を進めることで、Ccd1がAxinとヘテロな分子間相互作用を介して、Axinの分子構造を変化させることで細胞内シグナル伝達を制御する仕組みを原子レベルで解明できると期待される。
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