出芽酵母において近年発見されたERMES(ER-mitochondria encounter structure)複合体は、小胞体とミトコンドリア外膜を物理的、機能的に繋留する超タンパク質複合体である。本研究では、ERMES複合体構成因子の1つであるMdm12の構造機能解析及び、他の因子であるMmm1の機能解析を行った。 Mdm12の結晶構造にはリン脂質が結合している様子が観察された。さらにMdm12は、Mmm1と複合体を形成することで、リン脂質輸送能が促進されることが示された。以上の結果よりMdm12とMmm1複合体は、ERMES複合体のリン脂質輸送の最小単位である可能性が強く示唆された。
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