タンパク質は最安定状態以外にも、高いエネルギーを持った状態(高エネルギー状態)が存在する。これまでの立体構造研究では、それらの立体構造や物性が不明であった。数千気圧の圧力により、高いエネルギーを持ったコンフォメーションを安定化させ、NMRによる立体構造解析を試みた。タンパク質ユビキチンの局所変性状態を、低温、酸性、高圧条件下で安定に捉え、NMR信号の帰属、原子間距離情報(NOEと常磁性緩和促進)や二面角情報を収集し、立体構造計算を行った。TDP-43のRNA結合ドメイン及びOspAについて、圧力、熱及び変性剤による変性実験を行い、各種熱力学量を得た。
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