ヘムオキシゲナーゼ(HO)はNADPH-シトクロムP450還元酵素(CPR)からの還元力を利用してヘムを分解する酵素で、ヘムの代謝に必須である。本研究ではヘム-HO複合体に対して強く相互作用する変異CPR(ΔTGEE)を見出し、ΔTGEE-ヘム-HO複合体の結晶構造解析を4.3Å分解能で決定した。その結果、CPRの大きな構造変化を伴うヘム-HO複合体への電子移動機構を提唱することができた。その裏付けを取るために、X線小角散乱を使った解析、架橋実験、超遠心分析による相互作用解析などを行い、提唱した電子移動機構を支持する結果が得られた。
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