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2013 年度 実施状況報告書

Claudinの担う密着結合メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 25840028
研究種目

若手研究(B)

研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

篠田 雄大  独立行政法人理化学研究所, ライフサイエンス技術基盤研究センター, 研究員 (10597868)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワード大腸菌無細胞タンパク質合成技術 / キメラタンパク質 / 単分散性
研究概要

平成25年度は、膜タンパク質クローディン-4のホモ多量体構造解析用発現プラスミド作成と大量調製条件検討を行った。
『1、発現プラスミドの作成』クローディン-4ホモ多量体の結晶構造解析では、まずクローディン-4単体での精製を行うが、単体は緩衝液中で不安定である。加えて、クローディン-4は膜外領域が比較的小さく、単体ではCrystal contact不足による結晶化の困難も予想された。そこで、膜外領域のN末端やC末端に水溶性タンパク質であるT4ファージリゾチーム(T4L)や緑色蛍光タンパク質(GFP)を融合させた発現プラスミドを作成し、単体での安定性とCrystal contactの改善を図った。なお、水溶性タンパク質とクローディン-4との間のリンカーには、グリシンとセリンを組み合わせて、0~7残基と長さの異なるものを作成した。
『2、大腸菌無細胞タンパク質合成技術を利用したクローディン-4の調製』上記の水溶性タンパク質とヒトクローディン-4とのキメラタンパク質について、大腸菌無細胞タンパク質合成技術による発現と精製を行った。T4Lとのキメラタンパク質は、結晶化スクリーニングに十分耐えうる高い発現量を示し、ゲルろ過カラム上で単分散性の溶出ピークを示す程高品質であることが判明した。
『3、水溶性タンパク質融合クローディン-4の性状評価』水溶性タンパク質とヒトクローディン-4とのキメラタンパク質が正常な構造を保持したものか否かを、野生型クローディン-4に対して強い親和性を示す毒素Clostridium perfringens enterotoxinのC末端側フラグメント(C-CPE)への結合性を指標に調べた。T4Lとのキメラタンパク質は野生型と同等の強い親和性を示したが、N末端側にGFPを融合させたキメラタンパク質はC-CPEへの結合を示さず、正常な構造を保持していないことが判明した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成25年度の計画『結晶性改善を目的とした水溶性タンパク質融合Claudin-4の作製』と『大腸菌無細胞合成系を用いた発現』については、ホモ多量体構造解析用に作成したT4Lとヒトクローディン-4とのキメラタンパク質が、大腸菌無細胞タンパク質合成技術を利用した調製により、結晶化スクリーニングに十分耐えうる純度・収量・性状を示したことから、当初の計画以上に進展している。一方、『ホモ4量体精製条件最適化』については、精製条件が確立されたクローディンを用いて順次進める予定である。

今後の研究の推進方策

当初の計画通り、平成26年度は『大量精製~結晶化条件スクリーニング』を行う。また、『ホモ4量体精製条件最適化』についても、大量精製したクローディンの一部を利用して、実験計画に支障がないように進める。

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公開日: 2015-05-28  

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