研究課題/領域番号 |
25840041
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
西田 知訓 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 研究員 (10598436)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | piRNA / トランスポゾン / 生殖細胞 / BmVasa / PIWIタンパク質 |
研究概要 |
piRNAは、生殖細胞を正常に保つために重要なトランスポゾン由来のRNAである。そのため、piRNAがどのような経路で生成されるのかを明らかにすることは、生殖細胞形成を解明するために重要である。カイコの生殖細胞由来である培養細胞BmN4を用いて解析を進めた。RNAi法を用いたpiRNA生合成経路のスクリーニングにより、ヘリカーゼドメインを有するBmVasaがカイコにおいてもpiRNA生合成経路に関与することが明らかになった。さらにBmVasaは、PIWIタンパク質であるSiwiと相互作用していることも明らかになった。しかしながら、もう一つのPIWIタンパク質であるBmAgo3とは相互作用はみられなかった。作製したBmVasa抗体を用いた免疫沈降実験により、この複合体にはトランスポゾン由来の長いセンス鎖RNAが含まれることが判明した。また、BmVasaノックダウン時に発現させたFlga-SiwiとFlag-BmAgo3へのloadingへの影響をみたところ、Flag-SiwiにloadされるpiRNAに影響は見られないが、Flag-BmAgo3にloadされるpiRNAが劇的に減少した。さらに、Siwi-piRNA複合体は、標的RNAを切断後、切断産物を解放せず保ったままであることを明らかにした。このSiwi-piRNA複合体にBmVasaを後から加えると切断産物が解放されることが判った。これらの結果からBmVasaは、第二次piRNA生合成経路でSiwiからBmAgo3へのpiRNAの受け渡しに機能していることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでの解析からカイコの第二次piRNA生合成経路において、BmVasaが機能していることが示唆される結果を得た。しかしながら、SiwiからBmAgo3へのpiRNAの受け渡しでVasaのヘリカーゼ活性が重要であるのかがまだ不明である。
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今後の研究の推進方策 |
カイコpiRNA生合成経路の因子としてBmVasaを同定した。しかしながら、Vasaのヘリカーゼ活性が重要であるのかについてはまだ明らかになっていない。今後、Vasaのヘリカーゼ活性が重要であるのかを変異体を用いて解析を進めていく。また、piRNA生合成経路でどのような順序で複合体を形成し、piRNAを生成していくのかを解明していく。
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