研究概要 |
FRET型cGMP指示薬の機能向上を目的とした指示薬開発を行った。具体的にはFRET効率変化を最適化するため、ドナーならびにアクセプターとしてシアンならびに黄色蛍光タンパク質(ECFP, Venus)の完全長もしくはこれらの円順列変異体(cp173ECFP, cp173Venus)を材料に、その順列の入れ替えを含めた合計8種類のFRET骨格を作製した。さらにこれらのドナー・アクセプターの間にcGMP感受性モチーフであるprotein kinaseG もしくはcGMP specific phosphodiesterase(PDE5)の部分配列を挿入した指示薬をデザインした。大腸菌もしくはヒト培養細胞由来の精製指示薬タンパク質を得た後、in vitroでの性能評価を行った結果、従来の指示薬にくらべてシグナル変化率が5倍に向上(変化率=250%)した新たな指示薬を開発する事に成功した。HEK293細胞ならびに平滑筋細胞を用いた生細胞内での機能評価を行ったところ、cGMPシグナルをトリガーするNO刺激に対して、150%という大きなFRETシグナル変化を示す事を確認した。In vitroでの解離定数を決定したところ、Kd=1μMであり、生体内でのライブイメージングに適した性能を有していることが明らかになった。
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