細胞内の巨大タンパク質複合体について、その構造ダイナミクスを検出・解析することで生体内での機能解析を推し進めていくために、単細胞生物(大腸菌)と高等動物(ヒト培養細胞HEK293)の細胞から直接取り出したリボソームをターゲットに質量分析とH/D交換を用いた動的構造解析法の開発を行った。H/D交換反応を終えたのち粗精製やマトリクス溶液の最適化により、1mg以下の細胞の超音波破砕液からリボソームタンパク質の構造変化を一斉に捉える測定法を確立することに成功した。この方法により遺伝子クローニングや大量発現を介さず、見たい生物個体から直接タンパク質複合体の構造変化を捉えられることが示された。
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