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2013 年度 実施状況報告書

光駆動性イオンチャネルの創製

研究課題

研究課題/領域番号 25840055
研究種目

若手研究(B)

研究機関光産業創成大学院大学

研究代表者

平野 美奈子  光産業創成大学院大学, その他の研究科, 講師 (80585167)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワードイオンチャネル / 光感受性 / 生物物理学
研究概要

光刺激で細胞内のイオン環境を調節することで細胞機能を制御する系を創製することを目的とする。そのため、光刺激で開閉制御が可能なカリウムチャネルやカルシウムチャネルを創製することを目標とする。
本年度は以下の1、2についての研究を行った。
1. 光感受性付加のもとになるカリウムチャネル(KcsAチャネル)の開閉制御機構の詳細の解明
以前、我々はKcsAチャネルの開閉制御に重要な部位を同定した。本年度は、その部位の中で最も重要な一つのアミノ酸を同定した。さらに、その部位の大きな構造変化がチャネル開閉に必要だと考えられていたが、必ずしも必須ではないことを明らかにした。
2. カリウムチャネルと光感受性蛋白質を融合した光駆動型カリウムチャネルの創製
KcsAチャネルの開閉制御に重要な部位を、光感受性蛋白質である光活性化アデニル酸シクラーゼ(PAC)または光感受性ドメインであるLOV2ドメインに置換し、KcsAチャネルに光感受性を持たせることを検討した。リンカーの有無や融合させる領域を変えた16個の変異体のコンストラクトを作製し、そのうち8つの変異体は大腸菌での精製に成功した。それらの変異体のチャネル開閉の特性を調べた結果、光感受性は示さなかったものの、3つの変異体ではコントロールとは異なる特性を示し、光感受部位付加によりKcsAチャネルの特性が変化した。今後、これらの変異体をもとに、変異やリンカーを導入することで、光感受性を示す変異体を創るという作製の道筋を立てることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は、光駆動性カリウムチャネル作製のもとになるKcsAチャネルの詳細な構造機能相関の情報が得られた上、KcsAチャネルの知見をもとに作製したいくつかの変異体のチャネル活性の特性から、KcsAチャネルに光感受性を持たせる変異体作製の道筋を立てることができた。

今後の研究の推進方策

光感受部位付加によりKcsAチャネルの特性が変化した変異体をもとに、変異やリンカーを導入することで、光感受性を示す変異体を創製する。多数の変異体を作り、それらの活性を測定して光感受性を示すものを見つけ出す予定である。この際の課題は、多数の変異体を作製してもチャネル活性の測定に時間がかかるという点である。この点を解消するために、電気生理学的な手法ではなく、イオン感受性蛍光色素を用いた蛍光測定法で、短時間で簡便にチャネル活性を測定する系を立ち上げることを考えている。
また、作製された光駆動型カリウムチャネルをもとに、光駆動型カルシウムチャネルを作製する。他のグループの報告により、カリウムチャネルのイオン選択性フィルター部位に変異を導入することで、カルシウム選択性を示すことが知られている。その情報をもとに、光駆動型カリウムチャネルの選択性フィルターに変異を導入して、カルシウム選択性に改変する。
作製した光駆動型イオンチャネルを細胞に発現し、細胞内のイオン環境の変化を確かめる。細胞レベルで機能変化を起こす程度のイオン環境変化を引き起こす変異体を選び出す。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Automated parallel recordings of topologically identified single ion channels.2013

    • 著者名/発表者名
      Kawano R, Tsuji Y, Sato K, Osaki T, Kamiya K, Hirano M, Ide T, Miki N, Takeuchi S.
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 3 ページ: 1955

    • DOI

      10.1038/srep01995

    • 査読あり
  • [学会発表] Coordination between the cytoplasmic domain and the inactivation gate in the KcsA channel2013

    • 著者名/発表者名
      M. Hirano, Y. Onishi, D. Okuno, T. Ide
    • 学会等名
      第51回 日本生物物理学会
    • 発表場所
      国立京都国際会館
    • 年月日
      20131028-20131030
  • [学会発表] Reconstitution of ion channel immobilized on solid support into lipid bilayer2013

    • 著者名/発表者名
      D. Okuno, M. Hirano, Y. Onishi, T. Ide
    • 学会等名
      第51回 日本生物物理学会
    • 発表場所
      国立京都国際会館
    • 年月日
      20131028-20131030

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公開日: 2015-05-28  

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