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2013 年度 実施状況報告書

動的構造解析によるOct3/4の多様なDNA配列認識機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 25840059
研究種目

若手研究(B)

研究機関公益財団法人サントリー生命科学財団

研究代表者

小沼 剛  公益財団法人サントリー生命科学財団, その他部局等, 研究員 (10631682)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワードNMR / 蛋白質の精製 / 溶媒のpH
研究概要

本研究プロジェクトは、転写因子Oct3/4のDNA認識機構を原子分解能で解析することで、Oct3/4による転写ネットワークの制御システムの解明を目的としている。本研究では、Oct3/4の動的な構造解析を行うため、主に核磁気共鳴法(NMR)を利用する。そこで、すでに先行研究で確立されている大腸菌の発現系を利用し、15N標識したOct3/4の大量発現を行った。続いて、発現したOct3/4をニッケルキレート樹脂を用いて精製を行い、純度の高い蛋白質溶液を得た。しかしながら、この溶液をNMR測定用の溶媒(pH 7.0, 150 mM NaCl)で透析したところ、Oct3/4の凝集が確認された。蛋白質が凝集してしまうと、NMR測定だけでなく、今後全ての実験が困難となる。そこで、Oct3/4が凝集しない溶媒条件の検討を行った。まずpHを6.0および5.0まで下げた。pH 6.0ではほぼ凝集は改善されなかったが、pH 5.0ではわずかに凝集が減少した。またpH 7.0のまま、凝集抑制剤で知られるアルギニンを500 mMになるように蛋白質溶液に加えてみたところ、ほぼ凝集が抑制された。今後、この溶媒条件でNMR測定を行い、Oct3/4のスペクトルを確認することで、その溶媒条件で今後の実験計画が遂行可能か判断する。また溶媒のpHを変化させ、また、塩を加えることで可能な限りアルギニン濃度を減らし、より良い溶媒条件を探索する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初計画していた中性付近の溶媒条件下で、Oct3/4が凝集してしまった。そのため、NMR測定を行うことができなかった。

今後の研究の推進方策

Oct3/4が凝集しない、かつ、今後の実験計画を遂行できる溶媒条件を探索する。具体的には、溶媒のpHを変化させる、塩やアルギニン以外の凝集抑制剤を加えることが考えられる。適切な溶媒条件の決定後、NMRスペクトルのシグナル帰属および動的構造解析を行う。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Solution structure of the ubiquitin-associated (UBA) domain of human autophagy receptor NBR1 and its interaction with ubiquitin and polyubiquitin2014

    • 著者名/発表者名
      Erik, W., Morimoto, D., Sugase, K., Konuma, T., Tochio, H., Shirakawa, M.
    • 雑誌名

      J. Biol. Chem.

      巻: - ページ: -

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Fast and accurate fitting of relaxation dispersion data using the flexible software package GLOVE2013

    • 著者名/発表者名
      Sugase, K., Konuma, T., Lansing, J. C., Wright, P. E.
    • 雑誌名

      J. Biomol. NMR

      巻: 56 ページ: 275-283

    • DOI

      10.1007/s10858-013-9747-5

    • 査読あり
  • [学会発表] Elucidation of nonspecific DNA-binding mechanism by quantitative analysis of chemical shift changes2013

    • 著者名/発表者名
      Konuma, T., Harada, E., Oda, T., Sato, M., Sugase, K.
    • 学会等名
      5th Asia-Pacific NMR Symposium in conjunction with ANZMAG
    • 発表場所
      Brisbane Convention and Exhibition Centre
    • 年月日
      20131027-20131031
  • [学会発表] Extracting information on protein dynamics from crowded NMR spectra using relaxation dispersion difference

    • 著者名/発表者名
      Konuma, T.
    • 学会等名
      The 10th Korea-Japan Bilateral Symposium on Biological NMR
    • 発表場所
      Seoul National University
    • 招待講演

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公開日: 2015-05-28  

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