主要な増殖抑制経路Hippo経路の下流因子であるNuclear Dbf2-related kinase2 (NDR2)に着目し、生理基質として低分子量Gタンパク質Rab8の活性化因子Rabin8を同定した。NDR2はRabin8のリン酸化により、その結合特異性を膜小胞を構成する脂質であるホスファチジルセリンからSec15にスイッチすることを見出し、これにより繊毛鞘の形成を担う被覆小胞の中心体への繋留に関わることを明らかにした。さらに、NDR2の下流シグナルの探索にも積極的に着手し、新たなNDR2下流因子の同定により一次繊毛形成に関わる一連のシグナル伝達機構を明らかにしている。
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