研究課題
NAC転写因子ファミリーは、植物の成長過程において様々な制御に関わっていることが明らかになっている。NAC転写因子である、VND-INTERACTING2 (VNI2)は道管分化マスター因子であるNAC転写因子VND7の相互作用因子として同定された。またVNI2は、発現解析や他のグループの報告より、道管分化以外の様々な制御機構に関与することが示唆されていた。そこで、道管形成以外の役割を明らかにする目的で、VNI2と相互作用する因子の探索を行なった結果、これまでに30ものNAC転写因子が単離された。今年度は、得られたNAC転写因子について、転写活性能を持つか評価するため、相互作用因子として単離されたNAC転写因子にGAL4-BDを融合させたコンストラクトを作製し、シロイヌナズナ培養細胞より調整したプロトプラスト細胞を用いて一過的発現解析を行なった。25個の転写因子について解析を行なった結果、転写活性能を持つものが10個、転写抑制能を持つものが5個、有為な転写活性を持たないものが10個存在することが明らかとなった。次に転写活性能を有しており、かつこれまでに研究報告があるNAC転写因子について、下流遺伝子のプロモーターをクローニングし、それらをレポーターとして一過的発現を行なった。その結果、少なくとも2つのNAC転写因子について用いたレポーターに対する転写活性能を有することが確認された。そこで、このレポーターを用いて、VNI2による影響を解析したところ、VNI2を同時に導入することで、2つのNAC転写因子の転写活性は有為に抑えられることが明らかとなった。T-DNA挿入変異体について、相同性が高い遺伝子、もしくはvni2との多重変異体の作出を行なった。vni2変異体は環境ストレス応答に異常を示すことが報告されており、相互作用の生物学的役割を解明するための評価条件を検討した。その結果、塩ストレス処理後にクロロフィル量を測定することで、定量可能であることを見いだした。
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Metabolomics
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http://park.saitama-u.ac.jp/~myamaguchi/index.html