植物の受精に関する変異体は現在までにほんのわずかな数の報告がなされているのみであり、そのメカニズムを分子生物学的に理解するためには受精因子を一つでも多く獲得することが必要不可欠である。そこで私は自らが考案したバニリン染色スクリーニング法で受精に失敗していると考えられる変異体をスクリーニングした。現在までに13698個体のスクリーニングが終了し、382個の変異体が獲得できた。このうち9つについて精査した結果、雌性配偶体のみに変異を持つものが7つ、雄性配偶体のみに変異があるものが2つ単離できた。このようにバニリン染色法を用いると受精に関する変異体を効率良く獲得できることが明らかになった。
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