研究課題
前年度に引き続き、CO2シグナル伝達因子のマスターレギュレータCCM1と相互作用する2つの因子P45とP80のノックアウト株の作出を試みた。申請者が開発し特許が認められたクラミドモナスの高効率形質転換系(Yamano et al. 2013)を用いて、新たに約100,000株のDNAランダム挿入変異株ライブラリを構築し、PCRによってノックアウト株をスクリーニングした。P45については前年度に単離した2株に加えて、コーディングリージョンに挿入があったものを1株、P80についてもコーディングリージョンに挿入のあった1株を単離した。現在これらの変異株の表現型を解析している。次に、前年度に単離した新規な高CO2要求性変異株H82をさらに解析し、H82の原因遺伝子がシロイヌナズナで葉緑体のカルシウムセンサーとして報告されているCASのホモログ遺伝子であることを明らかにした(Wang et al. 2014 Photosynthesis research)。またH82株と野生株の比較トランスクリプトーム解析により、CASはCCM1によって制御されるHLA3とLCIAの転写の維持に働くことを明らかにした。HLA3とLCIAは、以前より無機炭素輸送体として働くことが示唆されていたが、その証拠はなかった。そこで、HLA3とLCIAの細胞膜局在解析及びノックアウト株・強制発現株の解析を進め、HLA3とLCIAが細胞外から葉緑体包膜へと重炭酸イオンを輸送する輸送体として協調的に働くことを明らかに、論文として報告した(Yamano et al. PNAS in press)。
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Proc. Natl. Acad. Sci. USA
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Plant Physiology
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