多くの藻類はCO2濃度の低下にともなって無機炭素輸送体を発現誘導し、細胞内に能動的に無機炭素を輸送・濃縮する無機炭素濃縮機構(CCM)を持つ。真核生物のCCMにおけるCO2の感知機構や、無機炭素輸送体分子は不明であった。本研究ではCCM1複合体によるCO2感知機構の解析と平行して、新規シグナル伝達因子としてシロイヌナズナで葉緑体のカルシウムセンサーとして報告されているCASのホモログ遺伝子を同定した。さらにHLA3とLCIAがそれぞれ細胞膜と葉緑体包膜に局在し無機炭素輸送体として機能すること、CCM1とCASがこれらの2つの遺伝子の発現制御に関わることを示した。
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