哺乳類の体温維持に関わる視床下部-下垂体-甲状腺(HPT)系を調節する視床下部因子(甲状腺刺激ホルモン放出因子:TRH)のmRNA発現が、両生類においても哺乳類と同様に低温刺激により増大することを明らかにした。しかし、両生類においてTRHはHPT系の調節にはほとんど関わらず、プロラクチン(PRL)の放出因子として機能する。TRH-PRL系が両生類の低温環境適応に果たす役割、および視床下部-下垂体調節系の両生類・哺乳類間での違いが変温動物から恒温動物への進化とどのように関わっているのかを考察した。
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