平成26年度は、昨年度に引き続き、空間学習によって活性化されるニューロンをcFos免疫組織化学で検出し、空間学習を担う脳領域の決定を試みた。ナイーブ個体と比較すると、学習成立個体では、終脳の背外側および中央領域でcFos免疫陽性ニューロンの増加が認められたので、これらの領域がトビハゼの空間学習能を担う脳領域であると考えられる。次に、神経新生に対する空間学習の効果の検討に取り組んだが、昨年度は課題を課したトビハゼの半数で学習が成立していたのに対し、今年度は6分の1以下に低下した。このため、再度、空間学習課題を確立することが急務となり検討を進めたが、研究期間内に確立することができなかった。しかしながら、現在までに、空間学習成立個体とナイーブ個体の間では、新生細胞の局在箇所および個数に違いは見られない印象を得ている。 トビハゼ脳の神経ネットワークの描出のために、以前、作製した脳地図を詳細なものに作り直した。さらに、アセチルコリン、カテコールアミン、バソトシン、コルチコトロピン放出因子等の各物質を含有するニューロンの局在と神経連絡を明らかにした。
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