研究課題
正常な遺伝子を保護し異常なmRNAを切断する、RNA型サイレンシング複合体の主要成分、Argonaute-2(Ago2)タンパク質の精子細胞分化過程での発現を観察した。抗ラットAgo2ポリクローナル抗体を用いて精巣の超微形態観察を行うと、Ago2は精母細胞のステージVIIIでヌアージュ構造であるLoose aggregate Structure に発現を認めた。分化が進行したステージXでは、Intermitochondrial cementにAgo2の発現が移行することが判明した。精子細胞に分化後は、Ago2はステップ1から6でクロマトイドボディーに局在し、それ以上の分化段階で、Ago2が消失していくことを明らかにできた。
2: おおむね順調に進展している
抗Ago2抗血清の作製に成功し、ラット精巣内の精母細胞・精子細胞でのAgo2の発現時期を見出すことが出来た。
配偶子細胞で健常なmRNAを維持するしくみを明らかにするため、Ago2に加えて、他のRNA型サイレンシング複合体の成分解明に取り組む。抗Ago2抗体を利用し、RNA型サイレンシング複合体分子を共精製する条件の検討を行う。複合体を構成する分子が精製できたら、その分子の同定を行い、抗体を作製し、電顕による発現の観察に役立てる。
電顕用の包埋試薬の輸入による入荷の遅れから、前年度内に購入することが困難であったため。
電顕用の包埋樹脂の条件検討を行いながら、ラット精巣内のAgo2とその関連分子の発現を観察する。
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