精子形成と配偶子細胞のRNA干渉に働くアルゴノート2タンパク質(Ago2)のラット精巣内の局在を、細胞生物学的に明らかにした。Ago2は、ラットの精巣で精母細胞が精子細胞へ分化するあいだ、生殖細胞特有小器官のヌアージュに局在した。その後、精子細胞の発生後期に現れるクロマトイドボディー(CB)近傍の小胞に含まれ、リソソーム膜タンパク質LAMP2と共存した。以上の結果から、Ago2は、ヌアージュ全域でRNAの転写を調節する一方、後期CBでは、リソソームにおいて、細胞成分の分解にも働く可能性が新たに示唆された。
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