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2013 年度 実施状況報告書

円口類ヤツメウナギ、ヌタウナギを用いた、対鼻性獲得ための分子発生学的変遷の解明

研究課題

研究課題/領域番号 25840133
研究種目

若手研究(B)

研究機関兵庫医科大学

研究代表者

菅原 文昭  兵庫医科大学, 医学部, 講師 (00611005)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード進化発生学 / 円口類 / ヌタウナギ / ヤツメウナギ / 鼻プラコード / 下垂体プラコード / 細胞系譜
研究概要

本年度はまず、ヤツメウナギ、ヌタウナギの進化発生学上の重要性を述べた総説を発表した。
実験としては、ヤツメウナギの胚を入手し、その受精卵に核移行シグナル付き蛍光タンパク質KAEDEのmRNAを注入し、核を可視化することで細胞の動態を観察することに成功した。さらに、photoconversionにより、特定部位の蛍光タンパクをUVにより励起させ、緑色蛍光から赤色蛍光に変化させることにより、細胞系譜を追跡する実験を試みたが、残念ながらヤツメウナギ胚の高い自家蛍光によりその遂行は難しいことが判明した。その代わりとして、蛍光色素DiI注入により予定プラコード領域の細胞の系譜を追うことは成功している。今後はより詳細なプラコード予定運命図を作成すべく追加実験を行いたい。
遺伝子発現解析は予定通り進行している。ただしヤツメウナギの初期神経胚でのin situハイブリダイゼーションによる発現の検出が難しく、この実験系の改良を行った。これらヤツメウナギの胚の取得から遺伝子発現解析までの試行錯誤やノウハウをまとめ、書籍を執筆し現在出版準備中である。
ヌタウナギについては、計画通り夏に成体を確保し、産卵させることに成功した。この卵は現在飼育中であり、発生しているかどうかは今後解析予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当該年度は所属機関の異動があったが、近隣の異動であった上に、旧所属機関での実験を継続しているので、研究の遅れはほとんどなかった。

今後の研究の推進方策

今後は、DiIインジェクションによる細胞系譜追跡をより精度の高いものとするために、実験の練度を高め、より精確な解析を行いたい。
また、遺伝子発現解析と細胞系譜追跡の解析を統合して考察し、初期の顎を持たない鼻が無対の脊椎動物が、どのような発生過程で顔面を形成していたのかを解明したい。
最近、化石の分野から本研究に対して極めて示唆に富む論文がNatureから発表された。7月に行われる国際学会に出席し、この著者と意見交換を行うことで、古生物と発生生物学を統合した進化モデルを提示したい。

次年度の研究費の使用計画

所属異動先で共通の試薬が使用できたため。
所属異動先には備え付けられていない、ヤツメウナギ胚の培養、およびインジェクション実験のための実験機器の購入に充てたい。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Evolution of the regionalization and patterning of the vertebrate telencephalon: what can we learn from cyclostomes?2013

    • 著者名/発表者名
      Sugahara F, Murakami Y, Adachi N, Kuratani S
    • 雑誌名

      Current opinion in genetics & development

      巻: 23(4) ページ: 475-483

    • DOI

      10.1016/j.gde.2013.02.008.

    • 査読あり
  • [学会発表] 円口類ヤツメウナギにおける鼻下垂体プラコード(NHP)の発生からみた脊椎動物顔面形態の進化2014

    • 著者名/発表者名
      菅原 文昭
    • 学会等名
      第119回日本解剖学会総会・全国学術集会
    • 発表場所
      栃木・下野
    • 年月日
      20140326-20140326
  • [図書] Neuromethods2014

    • 著者名/発表者名
      Fumiaki Sugahara, Yasunori Murakami and Shigeru Kuratani
    • 総ページ数
      未定
    • 出版者
      Springer

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公開日: 2015-05-28  

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