まず、ヤツメウナギ鼻下垂体プラコードの形態観察を行った。既報通りプラコードの肥厚は鼻プラコード部から始まることが確認され、さらにDiIによる細胞系譜トレース実験と遺伝子発現解析から、下垂体プラコードとなる外胚葉は、二次的な後方への伸長により視床下部と接触するのではなく、発生初期から視床下部に接触していることが示された。つまり、視床下部と下垂体プラコードの協調的な発生機構は顎口類と共通するらしい。 DiIによる汎プラコード域の細胞運命を追う実験については一定の結果を経て、解析を進めている。ヌタウナギについてはいくつかの発生ステージの胚を得ることに成功し、遺伝子発現解析のため準備を進めている。
|