本研究は原始的真菌類の一群であるツボカビ類の糖鎖を認識するレクチン結合パターン、生活環や感染様式を観察し、藻類と菌類の相互作用やツボカビの進化を明らかにすることを目的とした。透過型電子顕微鏡によって細胞微細構造を調べ、タイムラプス顕微鏡による生活環の各ステージ移行過程、および、レクチンを用いた染色による蛍光微鏡観察を行い、生活環の各ステージにおける細胞表面の糖鎖分布について調べた。その結果、遊走子放出タイミングやレクチン結合パターンが種あるいは生活環ステージによって異なることがわかった。アミノ糖の一種N-アセチルグルコサミンが遊走子嚢の仮根の基部に集積していることが示唆された。
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