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2013 年度 実施状況報告書

好塩性古細菌Halobacteriaceae科の明確な系統分類

研究課題

研究課題/領域番号 25840142
研究種目

若手研究(B)

研究機関東洋大学

研究代表者

峯岸 宏明  東洋大学, バイオ・ナノエレクトロニクス研究センター, 研究助手 (30440019)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードHalobacteriaceae科 / オーソロガス16S rRNA遺伝子
研究概要

Halobacteriaceae科は古細菌最大のグループである。属種の同定においては極性脂質組成、16S rRNA遺伝子塩基配列の相同性、DNA-DNAハイブリダイゼーションの相同値が特に重要なファクターとなっている。しかし、Halobacteriaceae科では多くの種において複数の16S rRNA遺伝子コピーが存在し、その中にはコピー間の相同性が低いものもあり、各々の配列で系統樹のトポロジーが大きく異なることが指摘されている。本研究では古細菌最大のグループであるHalobacteriaceae科の系統分類に関する問題点を解決し、その系統関係を明確にすることである。申請者のこれまでの研究によりHalobacteriaceae科は16S rRNA遺伝子の上流に十数個からなる遺伝子アレイが存在し、その上流にpyrD遺伝子が存在するSubgroup 1と1pdA遺伝子が存在するSubgroup2に分かれることを見いだしている。Subgroup 1に関しては解析が終了しているため、Subgroup2を中心に新属新種を含めてオーソロガス16S rRNA遺伝子の解析を行った。系統解析の結果、近隣結合法および最尤法による系統樹において2つの大きなクラスターに別れ、そのクラスターはそれぞれ例外なくSubgroup1およびSubgroup2の分類群で構成されていた。RNAポリメラーゼ遺伝子群の塩基配列を用いた系統樹においてもSubgroup1およびSubgroup2の2つの大きなクラスターに別れていた。このことからもHalobacteriaceae科は大きな2つのグループに分かれることが示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度(平成25年度)の研究計画は(1) 細胞形態や生育特性などのような表現型データ、(2)化学的データ(特に極性膜脂質パターン)の解析であった。しかしながら、本年度は多くの新属新種が発表されたため、それらの分類学的位置を明確に把握するために、まずは遺伝子型解析を優先的に行った。本年度発表された新属新種およびSubgroup2に属する標準菌株からDNA抽出を行い、申請者が設計したプライマーセットによりオーソロガス16S rRNA遺伝子、RNAポリメラーゼ遺伝子群の塩基配列決定を行った。これらの系統解析の結果、Halobacteriaceae科は大きな2つのグループに分かれることが明確に示された。一方で、DNA-DNAハイブリダイゼーションに使用するためのDNA抽出を順次行っている。また同時に膜極性脂質試料の調製も行っている。以上の成果を得られたことから、研究計画の前後はあるものの1年間の研究目標を達成できたと考える。

今後の研究の推進方策

初年度(平成25年度)は遺伝子型解析を中心に行ったので、平成26年度以降は(1) 細胞形態や生育特性などのような表現型データ、(2)化学的データ(特に極性膜脂質パターン)の解析を中心に行う予定である。膜脂質の抽出は順次行っているので、各属で薄層クロマトグラフィーによるパターン解析を行っていく。また、遺伝子型解析のうち未達成であるDNA-DNAハイブリダイゼーションによる相同性評価を順次行っていく予定である。得られたデータについては、国内もしくは国際学会にて発表後、学術論文として取りまとめる。

次年度の研究費の使用計画

初年度(平成25年度)の研究計画は(1) 細胞形態や生育特性などのような表現型データ、(2)化学的データ(特に極性膜脂質パターン)の解析であったが、多くの新属新種が発表されたため、それらの分類学的位置を明確に把握するために、まずは遺伝子型解析を優先的に行った。そのため、消耗品にかかる経費に差額が生じた。
平成26年度には、遺伝子型解析のうち未達成であるDNA-DNAハイブリダイゼーションを行う。その際に使用するプレートウォッシャーを購入する。また、培養用の試薬、極性脂質解析のためのHPTLCプレート、滅菌シャーレ等のプラスチック製品を購入する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 極度嗜塩菌Halobacteriaceae科の分子系統学解析から分かった進化の痕跡2013

    • 著者名/発表者名
      峯岸 宏明、亀倉 正博、越後 輝敦、嶋根 康弘、伊藤 隆、大熊 盛也、宇佐美 論
    • 学会等名
      極限環境生物学会
    • 発表場所
      明治大学生田キャンパス
    • 年月日
      20131026-20131027

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公開日: 2015-05-28  

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