アシナガバチ亜科(Polistinae)では、新しい巣の創設様式に女王が単独あるいは複数個体で巣を創設する「独立創巣」と、多数のワーカーが女王個体を伴って巣の創設を行う「分巣」の2つのタイプが知られる.分巣はアシナガバチ亜科において、南米に分布する1族と旧世界の2属において3回独立に進化してきたと考えられていた.しかしアシナガバチ亜科のうちチビアシナガバチ属(Ropalidia)においては1属内で、ニューギニア・オーストラリア地域に分布する種と東南アジアに分布する種それぞれで独立に分巣行動が進化してきた可能性を示した.
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