研究課題/領域番号 |
25840147
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研究機関 | 独立行政法人国立科学博物館 |
研究代表者 |
小松 浩典 独立行政法人国立科学博物館, 動物研究部, 研究主幹 (10435737)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 小笠原諸島 / DNAバーコード / 隠蔽種 / 十脚目 |
研究実績の概要 |
小笠原諸島は東京から南に約1000km離れた孤立した海洋島であり、海洋生物においても遺伝的な隔離が存在することが強く示唆されている。2008年から2010年にかけて、小笠原諸島近海30m以深において総計136地点におよぶドレッジ調査を試み、60地点でカニ類が採集された。得られたカニ類について分類学的研究を行ったところ、16科73種に分類され、そのうち3種を新種として記載し、5日本新記録を含む42小笠原諸島新記録種を記載した。本研究では先行調査例がほとんどないSCUBA潜水によって浅海域のカニ類相を明らかにし、小笠原諸島産カニ類のモノグラフを完成させることを主目的とする。また、得られた標本のDNAバーコードを網羅的に調べることにより、小笠原諸島における遺伝的隔離を検証し、隠蔽種を探索する。
2015年度は母島列島周辺海域において計11地点で潜水調査を行い、約380個体のカニ類標本を得た。現在、得られた標本に基づいて形態による分類学的研究を施している途中であるが、ヤワラガニ科の1未記載種、オウギガニ科の1未記載種およびヒシガニ科の1未記載種を見出しており、記載論文を準備中である。オウギガニ科のルリモンガニには多紋型と少紋型の2型が見られるのだが、DNAバーコードを調べたところ、この2型は種内の色彩変異であることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
小笠原諸島の南に位置するグアム産の標本を比較のために調査する計画であったが、フロリダ大学博物館の担当者が異動したため、標本調査に行くことができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き得られた標本に基づいて分類学的研究を続け、DNAバーコードとの比較検討を行う。昨年訪問を断念したフロリダ大学博物館への訪問を再度調整するが、不可能な場合はグアムでの現地調査か他博物館での標本調査に切り替える。
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次年度使用額が生じた理由 |
フロリダ大学博物館にはグアム産カニ類の非常によいコレクションがあり、これらを調査しに行く予定であったが、担当者がシンガポール大学に異動してしまい、担当者不在のため訪問が延期になったため。
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次年度使用額の使用計画 |
フロリダ大学博物館への訪問を再度調整するが、不可能な場合はグアムでの現地調査か他博物館での標本調査に使用する。
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