藻類の増殖に必須の資源である光と栄養塩は,それぞれ上方と下方より供給され遮光と消費を通して逆方向の鉛直勾配を示す.本研究を通して二つの主要な理論的成果を得た.(1)鉛直一次元空間上における光-栄養塩競争を通して,植物プランクトンの多様化が生じる.(2)光のみを資源として成長する底生藻類群集において,光利用特性が異なる多数種が自己組織化により層構造にわかれ共存する.また,湖における光,栄養塩,乱流混合強度と植物プランクトン種の鉛直分布データを解析し,出現種の分布パターンおよび群集構造を明らかにした.
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