現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記に記したように、表現型及び遺伝子に関する体形のデータは蓄積されつつある。これは、当初の計画よりも進むペースが早い。さらに、Gene Bank検索等を用いて、体節や四肢形成に関係する遺伝子のホモログ遺伝子をオオツノで探索することに着手している。そしてオオツノからmRNA抽出およびcDNA作製し、オオツノで機能するそれぞれの遺伝子用のPCR primer作製することができる。候補遺伝子はwingless, decapentaplegic, distal-less, daschshund, aristaless, epidermal growth factor receptor, homothorax, extradenticleなどであり、網羅的に調査がすすんでおり、ある程度候補も絞れてきた。 候補遺伝子についてシークエンス解析を進めることが可能であり、有意なアミノ酸置換配列が検出された遺伝子については、RNA干渉法(RNAi)を行い、体形の形成に関与するかを調査できる。甲虫類ではlarval RNAi(幼虫体への二本鎖RNAのインジェクションによるRNAi法)が極めて有効である(伊藤ら2010, Tomoyasu et al. 2009)。クローニングした遺伝子についてlarval RNAi 法を用い、体形形成に関与する遺伝子のスクリーニングを行うこともできる。さらに、我々はオオツノにおいてホールマウントin situ hybridizarion法を確立し、遺伝子の発現部位の解析を行うことも準備が進みつつある。従って、来年度以降も計画に支障がなく、研究計画を進めることができる。
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