研究課題/領域番号 |
25840162
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研究機関 | 石川県立大学 |
研究代表者 |
北村 俊平 石川県立大学, 生物資源環境学部, 准教授 (60549674)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | サイチョウ / 種子散布 / 種子食害 / 自動撮影 / アグライア |
研究実績の概要 |
タイ王国カオヤイ国立公園内のMoist evergreen forest内に2000年に設定した4ヘクタール(200x200m)の調査プロット内に出現したセンダン科Aglaia specitabilis 1,040個体を対象として、2014年11月と12月に再調査を行い、生存個体の確認を行った。 調査区内の10x10mの400個のコドラート毎にAglaia specitabilisの個体識別用の番号札の有無とコドラート内での位置情報に基づき、生存状況を確認した。個体識別用の番号札が残っていた個体は新しい番号札を取り付け、樹高を測定した。ただし、樹高5mを超える個体については、胸高直径を測定した。番号札が残っていないが、前回の調査時とほぼ同じ位置に確認されたAglaia specitabilis個体については、前回の調査時の樹高や胸高直径の記録から、同一個体の可能性が高いかどうかを判断した。 4ヘクタールの調査区内で、少なくとも245個体の生存を確認し、生存率は23.6%だった。このうち、2000年の結実期に種子散布された種子から発芽した実生20個体はすべて死亡していた。一方、2001年に種子散布された種子から発芽した実生38個体のうち、少なくとも4個体は生存しており、平均樹高は87±31(SD)cmで、平均56±32(SD)cmの成長が見られた。前回の調査時に1m以下だった149個体の平均樹高は130±66(SD)cmで、平均79±65(SD)cmの成長が見られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は主に4ヘクタールの調査区内でのAglaia specitabilisの再調査を行ったが、一部のコドラートについては、再調査に駆ける時間が少なかった。そのため、個体識別用の番号札が消失した個体の一部を見逃している可能性が高い。その結果、2000年に個体識別を行った個体の生存率を過小評価している可能性があるため。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度は過去2年間の情報を整理し、過去2年間に得られたデータの一部については、2015年6月に南アフリカで開催されるThe 6th International Symposium-Workshop on Frugivores and Seed Dispersalにて発表する。 平成26年度に充分な調査時間をとることができなかった4ヘクタール調査区内のAglaia specitabilisの実生調査については、平成27年度も11月から12月にかけて、再調査を行うことで、調査精度をあげ、個体識別後12-14年が経過した実生の生存率や成長量のデータを得る。先行研究から得られた結実木での果実持ち去り、種子食害、自動撮影カメラ、飼育個体を対象とした体内滞留時間の結果から推定した種子散布距離などの情報を組み合わせて、Aglaia specitabilisにとって、サイチョウ類の種子散布者としての有効性について、量的な側面と質的な側面の両方から評価する。それによって狩猟や森林伐採など人間活動の影響を受けやすい動物であるサイチョウ類を熱帯雨林から喪失することで、それらに種子散布を依存する植物にどのような影響が及ぶのかを明らかにする。
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