本研究では、形質転換に利用されていないリゾビウム属細菌の植物形質転換への応用可能性を検討した。まず病原株の持つ病原(Ti/Ri)プラスミドを接合で移動させるための加工など、同細菌間での病原プラスミド交換技術を確立した。次に、同技術を用いて多様なリゾビウム属細菌を材料にTi/Riプラスミド交換株を作製し、その形質転換特性を比較したところ、特定の植物細胞で強く病原遺伝子が誘導される特性など形質転換操作への応用が期待できる菌株を選別できた。本研究で確立した病原プラスミド交換技術は多様なリゾビウム属細菌に広く応用でき、その菌株の持つ潜在的な形質転換有用性の評価を可能にした。
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