わが国では土壌物理性が劣る水田転換畑で主に大豆作が行われるため、ダイズの生産性向上のためには土壌の物理的環境や理化学性の改善が重要である。本研究では、大豆作付け前の水稲作において畑地化効果が期待できる水稲無代かき栽培に着目し、前作水稲作付け時の代かきの有無が転換後の根圏域土壌の物理化学性とダイズの収量形成過程に及ぼす影響を解析した。その結果、水稲-大豆の田畑輪換体系下において、大豆作付け前の水稲作を無代かき栽培することで、転換後の大豆作付け時における土壌の窒素状態、排水性、砕土性が良好となり、ダイズの乾物生産能も優れ、登熟後期まで葉色が維持され、収量性は11.1%向上することが明らかとなった。
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