アサガオ(Ipomoea nil)花弁に蓄積するアントシアニン色素は、複数のカフェ酸やグルコースが付加した複雑な側鎖構造を持ち、グルコース付加の欠損に起因する花色変異体、dusky及びduskishについて変異の同定を行ってきた。本研究では、カフェ酸付加の欠損に起因してパステル調の花色を示すdingy変異体について、変異の同定を試みた。 アサガオで発現する31種類のアシル基転移酵素遺伝子の中から花弁で特異的に発現し、他の花色関連酵素遺伝子と同様な転写制御を受けている遺伝子を絞り込んだ後、dingy変異体はこのアシル基転移酵素遺伝子中にトランスポゾンが挿入した欠損変異であることを明らかにした。
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