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2013 年度 実施状況報告書

ゲンチオオリゴ糖の成長相転換シグナルとしての機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 25850023
研究種目

若手研究(B)

研究機関公益財団法人岩手生物工学研究センター

研究代表者

高橋 秀行  公益財団法人岩手生物工学研究センター, 細胞工学研究部, 主任研究員 (00455247)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード花卉 / リンドウ / 休眠
研究概要

本研究では、多年生植物であるリンドウをモデルに、オリゴ糖の相転換シグナルとしての作用機序の解明を目指し研究を進めている。本年度は、次世代シークエンスで得られた配列情報を基に、相転換に関与する遺伝子であるFLOWERING LOCUS C (FLC)やCONSTANS等、ホルモンに関与するVERNALIZATION INSENSITIVE3の全長cDNAを単離した。それら遺伝子について、休眠期における発現を調査した結果、一部遺伝子でFTと相関する変動が観察された。FLCに関しては、花成期とは異なった変動パターンを示し、花成と休眠で相転換機構が異なることが予想された。また、休眠調節に関わるとされるDORMANCY ASSOCIATED MADS-BOX (DAM)はリンドウでは得られなかった。単離した相転換関連遺伝子は、ウイルスベクターを用いてリンドウに導入し、現在、選抜並びに育成を行なっている。形質転換体が完成した後、代謝物への影響をメタボロームを用いて行なう予定である。
器官別の解析では、越冬芽を茎頂、茎、葉に分け、遺伝子発現並びにメタボローム解析を行なった。相転換関連遺伝子では器官別に異なった発現変動が観察され、作用部位がある程度特定された。一方、代謝物では遺伝子ほどの顕著な差は見られなかったものの、オリゴ糖の変動パターンが異なることが示された。今後、それぞれの組織局在を免疫組織染色やイメージング質量分析等により詳細に解析し、作用部位の特定を進める予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

次世代シークエンスで作成したEST情報を活用し、花成期または休眠期に働くと予想される相転換関連遺伝子の配列情報の取得は計画通りに達成されている。さらに、DAMを除く休眠関連遺伝子についても同様に配列情報を取得済である。休眠関連遺伝子については、一般的に情報が充分でないため、更に探索を進めることで新たな関連遺伝子の発見が期待できる。配列情報を取得した遺伝子については発現解析が終了し、現在はウイルスベクターを用いた形質転換体の作成を計画通りに進めている。オリゴ糖を始めとする代謝物に関してもメタボローム解析を実施中であり、器官別の変動パターンが明らかとなっている。更に解析を進め、得られた情報を統合することで、オリゴ糖の作用機構並びに作用部位について解明が進むことが期待できる。

今後の研究の推進方策

引き続き、相転換関連遺伝子と代謝物の解析を進める。形質転換体の完成後、表現型や遺伝子・代謝物の変動を解析することで相転換機構を明らかにする。さらに、オリゴ糖の代謝経路を特定するため、本代謝に属する代謝物と酵素を探索する計画となっている。その方法として、cDNA libraryと安定同位体を用いた実験を予定している。cDNA libraryから得られた酵素遺伝子については、ピキア酵母で組換え蛋白質を産生させ、本オリゴ糖を基質とする活性を調査する。ピキア酵母を用いた系は既に確立済であり、計画通りに進められる体制が整っている。安定同位体についても既に予備実験を開始しており、同位体を取込ませる条件や解析法について確立を目指している。代謝経路を特定することで、本オリゴ糖を中心とした相転換機構を明らかにする。

次年度の研究費の使用計画

休眠関連遺伝子の単離に成功したが、形質転換体の選抜に時間を要したため、解析は次年度に行なうことにした。
各遺伝子の高発現および発現抑制体の遺伝子並びに代謝物の解析を行なう。また、サンプル調整のため、研究補助員の人件費の支出を予定している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] リンドウ越冬芽の休眠制御機構の探索2014

    • 著者名/発表者名
      高橋秀行、金野尚武、今村智弘、竹田匠
    • 学会等名
      第55回日本植物生理学会年会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      20140318-20140320

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公開日: 2015-05-28  

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