本課題では、多年生植物であるリンドウにおけるゲンチオオリゴ糖の相転換シグナルとしての作用機序の解明を目指した。休眠期における相転換関連遺伝子の発現と、ゲンチオオリゴ糖の蓄積には一部相関が観察された。特にゲンチオビオースと相関が見られた遺伝子についてリンドウ越冬芽で高発現を試みたところ萌芽が誘導されたことから、越冬芽の休眠制御にこれら遺伝子が関与することが明らかとなった。また、cDNAライブラリーを用いた遺伝子選抜並びに標識糖を用いたトレーサー実験から、ゲンチオオリゴ糖代謝に関与が予想される遺伝子及び代謝物の検出に成功した。これらを詳細に解析することで本代謝経路の解明に繋がることが期待できる。
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