黒ボク土の放射性セシウム(RCs)吸着能を規定する要因を明らかにすることを目的として、日本各地の農耕地黒ボク土および月別採取した大気降下物から分画したシルト・粘土粒子を用いて、RCs吸着能の指標である放射性セシウム捕捉ポテンシャル(RIP)の測定および鉱物組成の解析を行った。 その結果、同じ粒径の黒ボク土および降下物粒子について、RIPと雲母および石英量との間に高い正の相関関係が示された。さらに、各粒子から単離した石英の酸素同位体比が風成塵起源の可能性を強く示したことから、日本の黒ボク土のRCs吸着能は風成塵の降下・混入量に大きく規定されていることが明らかになった。
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