本研究では希少放線菌Actinoplanes missouriensisが形成する胞子嚢の内部で胞子が休眠状態に入る過程に必須であることが判明していた二成分制御系のセンサーキナーゼHhkA、およびレスポンスレギュレーターTcrAの解析を中心に実験を進めた。両タンパク質をコードする遺伝子の破壊株と野生株を用いたトランスクリプトーム解析により、これらのタンパク質が200を超える遺伝子の発現を制御するグローバルなシグナル伝達経路を担っていることが判明した。TcrAについては、胞子嚢に内包される運動性胞子の形成に必須のべん毛遺伝子クラスターの転写を直接活性化することをin vitroで示した。
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