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2014 年度 実績報告書

有用物質産生へ向けたATP依存型リガーゼの構造機能研究

研究課題

研究課題/領域番号 25850050
研究機関東京工業大学

研究代表者

宮永 顕正  東京工業大学, 理工学研究科, 助教 (10623126)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード微生物酵素 / 結晶構造解析 / 生合成
研究実績の概要

前年度に引き続き、マクロラクタム化合物の特徴ある基本骨格の構築に重要なATP依存型リガーゼの機能解析と構造解析を行った。
インセドニン生合成に関わるIdnL1とクレミマイシン生合成に関わるCmiS6の基質特異性の解析を行った。その結果、IdnL1は鎖長の短い3-アミノブタン酸のみに活性を示すことが明らかになった。一方、CmiS6は鎖長の長い3-アミノノナン酸や3-アミノヘプタン酸を良好な基質とすることが分かった。IdnL1とCmiS6の配列同一性は60%程度と高く、なぜこのような基質特異性の違いが生まれたのか興味が持たれた。そこで、これら酵素のアミノ酸配列の比較を行った。その結果、基質特異性を決めるのに重要なアミノ酸残基を特定し、そのアミノ酸残基を変異させることにより、基質特異性を入れ替えることに成功した。次に、IdnL1とCmiS6の基質特異性の構造基盤を得るべく、これら酵素の結晶化を行った。その結果、CmiS6の構造解析に成功し、3-アミノ脂肪酸認識機構に関する知見を得た。
一方、アミド結合を形成する特異なATP依存型リガーゼのVinMの結晶化については、条件検討をさらに進めたが、解析に適した結晶を得ることはできなかった。
また、非天然型マクロラクタム化合物の創製を目指し、遺伝子破壊株にスターターユニットのアナログ体を投与するムタシンセシス法を行った。その結果、ヒタチマイシン類縁体の生産に成功した。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Genome mining of the hitachimycin biosynthetic gene cluster: involvement of a phenylalanine-2,3-aminomutase in biosynthesis2015

    • 著者名/発表者名
      Kudo, F., Kawamura, K., Uchino, A., Miyanaga, A., Numakura, M., Takayanagi, R., and Eguchi, T.
    • 雑誌名

      ChemBioChem

      巻: 16 ページ: 909-914

    • DOI

      10.1002/cbic.201500040

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] The crystal structure of the adenylation enzyme VinN reveals a unique β-amino acid recognition mechanism2014

    • 著者名/発表者名
      Miyanaga, A., Cieslak, J., Shinohara, Y., Kudo, F., and Eguchi, T.
    • 雑誌名

      J. Biol. Chem.

      巻: 289 ページ: 31448-31457

    • DOI

      10.1074/jbc.M114.602326

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Biosynthesis of natural products containing β-amino acids2014

    • 著者名/発表者名
      Kudo, F., Miyanaga, A., and Eguchi, T.
    • 雑誌名

      Nat. Prod. Rep.

      巻: 31 ページ: 1056-1073

    • DOI

      10.1039/c4np00007b

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] β-アミノ酸含有マクロラクタム抗生物質の生合成2014

    • 著者名/発表者名
      工藤史貴、宮永顕正、江口正
    • 雑誌名

      化学と生物

      巻: 52 ページ: 830-835

  • [学会発表] ポリケチド抗生物質ヒタチマイシンの生合成遺伝子の機能解析2015

    • 著者名/発表者名
      川村紘一、宮永顕正、工藤史貴、江口正
    • 学会等名
      日本化学会第95春期年会
    • 発表場所
      日本大学 (船橋)
    • 年月日
      2015-03-29 – 2015-03-29
  • [学会発表] 非天然型基質投与によるヒタチマイシン類縁体生産2015

    • 著者名/発表者名
      早川雄基、川村紘一、宮永顕正、工藤史貴、江口正
    • 学会等名
      日本化学会第95春期年会
    • 発表場所
      日本大学 (船橋)
    • 年月日
      2015-03-29 – 2015-03-29
  • [学会発表] Structural and functional analysis of ATP-dependent ligase VinN involved in vicenistatin biosynthesis2014

    • 著者名/発表者名
      Cieslak, J., Miyanaga, A., Kudo, F., and Eguchi, T.
    • 学会等名
      BIO 2014 Congress
    • 発表場所
      ポーランド、ワルシャワ
    • 年月日
      2014-09-09 – 2014-09-12
  • [学会発表] ポリケタイドの分子多様性を生み出す生合成酵素の構造と機能2014

    • 著者名/発表者名
      宮永顕正
    • 学会等名
      日本農芸化学会 関東支部シンポジウム
    • 発表場所
      東京大学 (東京)
    • 年月日
      2014-05-24 – 2014-05-24
    • 招待講演

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公開日: 2016-06-01  

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