本研究課題では、磁性細菌における磁鉄鉱結晶形成機構の分子基盤を明らかにすることを目的として、磁性細菌ゲノムの保存された新奇のc型シトクロムの機能解析を行った。その結果、MamPは2つのヘムcをもつ膜結合型シトクロムであり、細胞質膜に局在し、磁鉄鉱結晶が合成される対数増殖期に発現が誘導されることがわかった。また、MamPは、マグネトソームにおける磁鉄鉱結晶の成長を促進する蛋白質であることが明らかになった。さらに、MamPが嫌気呼吸経路である脱窒との電子伝搬に関わることが示唆され、磁鉄鉱結晶形成時の電子伝達経路についてモデルを提案した。
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