今後の研究の推進方策 |
RNA-seqにより同定した定常期に強く誘導される遺伝子群についてその機能を解析する。特に転写制御因子に着目し、これらの欠損株、過剰発現株の表現型、ゲノムコピー数への影響を解析する。一方で培養条件の検討も継続し、コピー数が増減する条件を探す。 Synechococcusのゲノムコピー数が4コピーなのに対し、Synechocystisのゲノムコピー数は約200コピーであることが報告されていたが(Griese and Soppa, FEMS microbiol. lett., 2011)、論文に用いられている株についてFACS解析を行った結果、Synechococcusの2倍から4倍程度であることが示された。Synechocystisは世界中で最もよく使われている淡水性シアノバクテリアであるが、各研究室のラボストレインごとに表現型が異なり、ゲノム配列中に固有変異(SNP、In/del)も多く見つかっている (Kanesaki et al., DNA Res. 2012, Trautmann et al., DNA Res. 2012)。当初目標として、高いゲノムコピー数を持つSynechocystisの単離を設定したが、その最初の段階としてこれらの株に関してゲノムコピー数の変動を解析する。
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