淡水生シアノバクテリアSynechococcus elongatus PCC 7942は細胞あたり複数コピーの染色体を保持している。しかし複数コピーの染色体を持つ生物の増殖機構や、染色体コピー数を規定する要因は不明であった。 本研究からS. 7942の染色体コピー数は培地中のリン酸濃度に強く依存し、リン酸濃度の低下と共に染色体コピー数も減少すること、この制御にはリン酸欠乏ストレス応答の制御因子が関与することが示された。またSynechocystis sp. PCC 6803においても同様にコピー数の変動が観察されたことから、淡水性シアノバクテリアに共通した現象であることが明らかとなった。
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