研究課題
平成26度は、前年度作出した低温誘導性遺伝子COR15Aプロモーターとルシフェラーゼ遺伝子を融合したコンストラクトを持つ植物を選抜し、光依存的な低温シグナル活性化物質の探索系確立を試みた。まず、COR15A遺伝子の開始コドンまで含む「COR15A ATG:LUC」あるいは第一イントロンまでを含む「COR15Apro 594:LUC」融合遺伝子を持つ植物において、ルシフェラーゼ活性の低温応答を調査した。その結果、COR15A ATG:LUCでは低温によりルシフェラーゼ活性が増大したが、COR15A 594:LUCではほとんど変化しなかった。また、COR15A ATG:LUCにおけるルシフェラーゼの活性は、内在性COR15A遺伝子の発現レベルを反映していた。このことから、以降の解析ではCOR15A ATG:LUCを用いることとした。次に、このCOR15A ATG:LUC植物の葉をアブシジン酸で処理したところ、ルシフェラーゼの発現が著しく増大することが確認できた。すなわち、外から加えた化合物に応答してCOR15A ATG:LUCが誘導されたことが確認できた。現在、COR15A ATG:LUC葉とマイクロプレートを用いて、化合物ライブラリー中から光依存的な低温シグナル伝達活性化に関与する化合物のスクリーニングを行っている。この他に、光により誘導され低温応答を活性化する「葉緑体シグナル」を探索するため、葉緑体シグナル伝達が異常になった変異体ppi2のホモ変異体種子を獲得する系を確立した。
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http://dx.doi.org/10.3389/fpls.2014.00243
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