研究課題/領域番号 |
25850076
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 崇城大学 |
研究代表者 |
平 大輔 崇城大学, 生物生命学部, 助教 (00569890)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | anammox / ヘムタンパク質 / 結晶構造解析 |
研究概要 |
本研究では、anammox菌のヒドラジン合成酵素(HZS)とヘテロ2量体シトクロムc(NaxLS)からなるヒドラジン合成酵素系について、分光学的測定・X 線結晶構造解析などにより、その反応機構を解明することが目的である。平成25年度には、(1)X線結晶構造解析によるHZSの立体構造解明と、(2)NaxLSへの部位特異的変異導入によるヒドラジン合成反応への影響検討、の2つの実験項目を計画・実施した。まず(1)について、研究計画段階で確認していたHZSの結晶化条件の最適化を試み、その結果、Sokalan CP42を含む沈殿剤にポリエチレングリコール、酒石酸塩を添加することで結晶化の再現性が増すことが明らかとなった。さらに、得られた結晶を用いてX線回折実験を行うことで、結晶空間群を推定することができ、Fe-SAD法による位相決定を試みた。これにより低分解能ではあるが、解釈可能な電子密度が確認出来、HZSはその一部にβプロペラ構造を形成していることが明らかとなった。平成26年度には、平成25年度の回折実験結果を精査し、精製試料調製法や結晶化条件のさらなる最適化を行い、HZSの立体構造を解明したい。次に(2)では、NaxLSのヘム鉄に配位しているCysをよりシトクロムcでより一般的にみられるMetに変異させたNaxLSを調製し、速度論的解析によりヒドラジン合成反応への影響を調べた。これにより、NaxLSのCys配位ならびに低い酸化還元電位がヒドラジン合成活性を促進することが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度に計画した(1)X線結晶構造解析によるHZSの立体構造解明、(2)NaxLSへの部位特異的変異導入によるヒドラジン合成反応への影響検討について、両項目とも計画通り実施することができ、おおむね想定通り進展した。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度の研究項目が概ね順調に進展したので、今後は平成26年度の計画に従って、X線結晶構造解析によるHZSの立体構造解明、HZSとNaxLSの相互作用解析と反応中間体推定の両研究項目を実施する。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究進捗状況を踏まえて物品費として使用計画にあった小型高速冷却遠心器の型式を変更したため。 平成26年度の研究項目達成のため、X線回折実験に伴う出張回数を増す計画であり、そのための旅費・消耗品費として使用する計画である。
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