研究課題
本研究では、anammox菌のヒドラジン合成酵素(HZS)とヘテロ2量体シトクロムc(NaxLS)からなるヒドラジン合成酵素系について、分光学的測定・X線結晶構造解析などにより、その反応機構を解明することが目的である。平成26年度には、平成25年度に引き続き(1)NaxLSへの部位特異的変異導入によるヒドラジン合成反応への影響検討、ならびに(2)X線結晶構造解析によるHZSの立体構造解明を実施した。さらに(3)HZSとNaxLS複合体の結晶構造解析についても実施した。まず、(1)について、NaxLSのヘム鉄に配位しているCysをMetに変異させたNaxLSを用いて速度論的実験を行い、NaxLSの還元がヒドラジン合成に必須であることが明らかとなり、反応過程においてNaxLSからHZSへの電子伝達が必須であることが強く示唆された。次に(2)について、平成25年度に明らかとした結晶化条件を基に得た単結晶を用いて複数回のX線回折実験を行ったが、分解能の向上がみられず、最終的な立体構造解明に至らなかった。そこで、HZSとNaxLSが複合体を形成した際に回折能の高い結晶が得られることを期待し、(3)としてHZSとNaxLS複合体の結晶構造解析を実施した。HZSとNaxLSを混合した状態で結晶化条件を探索し、複合体と思われる結晶を得るに至った。結晶化条件を最適化し、得られた単結晶を用いてX線回折実験を実施した。現在、得られたデータを用いて立体構造の解明を試みている。
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Environmental microbiology
巻: in press ページ: in press
10.1111/1462-2920.12674
J Biosci Bioeng,
巻: 118 ページ: 616-621