ユビキノンの主な役割は呼吸鎖電子伝達系における基質としてはたらくことであるが、ユビキノンを“活性因子”として一定の生理活性を発揮するタンパク質の存在が近年示唆されている。出芽酵母や分裂酵母で見出されたCoq10はそのようなタンパク質の一つであり、コレステロールなどの疎水性分子の細胞内輸送に関与する、いわゆるSTARTドメインスーパーファミリーに属するタンパク質である。Coq10 はミトコンドリアにおける円滑な電子伝達に必須であるが、その機能は不明である。応募者は酵母由来のCoq10 を実験材料に光親和性標識実験を行い、Coq10 がUQ を強く結合することを初めて見出した。
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