本研究では、新しい細胞膜透過ペプチド『ポリヒスチジン(H16)』の分子機構の解明を試みた。その結果、ポリヒスチジン(H16)は血清の影響を受けず、主にマクロピノサイトーシスによって細胞膜を透過することが分かった。細胞内ではポリヒスチジン(H16)の大部分はゴルジ体およびリソソームに局在し、一部は細胞質まで移行することが確認された。ポリヒスチジン(H16)を融合したタンパク質も同様の細胞内局在を示した。さらに、担癌マウス体内において、ポリヒスチジン(H16)は腫瘍組織に集積し、安定した滞留性を示した。本研究成果から、ポリヒスチジン(H16)は有力なDDS素材であることが明らかになった。
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