近年、食品アレルギーや花粉症などのアレルギー患者数は増加の一途を辿り、大きな社会問題となっている。そこで本研究では、アレルギー症状の改善につながる免疫寛容誘導剤の開発に取り組んだ。はじめに抗原の低アレルゲン化を試みたところ、酸性多糖ヘパリン修飾によりOVAのアレルゲン性が低下することを確認した。THP-1由来樹状細胞を用いてスクリーニング試験を行った結果、フェルラ酸およびフェルラ酸配糖体の免疫寛容誘導作用が明らかとなった。OVA感作アレルギーマウスを用いた動物実験を行ったところ、ヘパリン修飾した低アレルゲン化OVAとフェルラ酸配糖体の継続摂取が優れたアレルギー軽減作用を有することが示された。
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