研究実績の概要 |
ダイオキシン類の簡易測定法ELISAの改良法として、従来の材料であるラット肝臓細胞質画分に加えて、モルモット肝臓細胞質画分およびマウス肝臓細胞質画分を調製し、それぞれの2,3,7,8-四塩化ジベンゾ-p-ジオキシンを用いてダイオキシン応答性を確認した。まず、従来法である32PラベルしたDREを用いたゲルシフトアッセイにより活性化したアリール炭化水素受容体(AhR)を検出した結果、モルモット肝臓細胞質画分ではラット肝臓細胞質画分での検出限界と同等あるいはそれ以上のダイオキシン応答性が見られたのに対して、マウス肝臓細胞質画分ではほとんど応答性が見られなかった。また、モルモット、マウス、並びにラット肝臓細胞質画分中のARNT(AhRパートナータンパク質)の発現量をウェスタンブロッティング法により検出した結果、マウスおよびラット肝臓細胞質画分からは検出できたものの、モルモット肝臓細胞質画分からは検出できなかった。ゲルシフトアッセイではモルモット肝臓細胞質画分を用いて活性化AhRを検出できたことから、ウェスタンブロッティングで使用した抗体の交差性がなかった可能性が考えられる。改良SW-ELISAを構築については、使用する抗体も含めて条件の検討中である。
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