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2013 年度 実施状況報告書

C. jejuni の損傷,VNC化および回復に関する基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 25850093
研究種目

若手研究(B)

研究機関福岡女子大学

研究代表者

小林 弘司  福岡女子大学, 文理学部, 講師 (00610255)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワードカンピロバクター / 加熱損傷 / 回復 / VNC
研究概要

本研究では, 損傷およびVNC化したC. jejuniの回復について検討を行なうものである。平成25年度は,損傷したC. jejuni菌体を再現よく調製する手法の確立を目的とし, 穏やかな加熱処理について検討を行った. まず第一に、C. jejuniで得られた結果をこれまでの知見と比較するために、Salmonell Enteritidis の加熱損傷、さらにこれらの状態からの回復についての再現実験を行った。
Tryptic Soy Broth (TSB) にて37℃,一晩培養したSlmonella Enteritidis IFO3313 (SE) を集菌、洗浄した後Phospahte Buffered Saline (PBS, PH 7.4,25℃) 10mlに菌濃度10^7 CFU/ml となるように接種し、供試菌懸濁液とした。この菌懸濁液を50℃,55℃または60℃にて5,10または15分間穏やかに加熱した後、非選択性培地であるTryptic Soy Agar (TSA)および選択培地であるDHL寒天培地に加熱処理菌液を塗抹し,各培地に生じたコロニー数にから損傷の程度を算出した。その結果、55℃,10分間加熱することにより,菌数は1オーダー減少し、さらに生残した菌体の99.99%は損傷することを確認した。また,この損傷菌体は,TSB中で3時間培養することにより選択性の培地でもコロニー形成能を回復し,その後は非損傷菌体と同様に増殖することも再確認した。
また,平成26年度のために、これまでSEにおいて損傷回復時に発現量が増加することを確認した遺伝子群の塩基配列について,カンピロバクター属の遺伝子との相同性検索を行なった。その結果,酸化ストレス関連遺伝子であるtrxC, recA, Fur, ahpCが対応するサルモネラ遺伝子との相同性が高かった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

これまでサルモネラによる結果を得た研究室から離れ、使用する機器,器具,水などが異なる新しい研究室にて実験を実施しているため、プロトコルの再現性の確保を重要視した.このため,当初は実施する予定でなかったサルモネラによる再現試験を実施したために進捗に遅延が生じたが,プロトコルの変更を行うことにより再現性を確保した.これにより,平成26年度は計画通りに研究を進めることができると考える.

今後の研究の推進方策

平成26年度は,実施計画通りC. jejuniを用いた損傷,VNC化させる条件およびこれらの状態からの回復条件の検索を行なう。さらに,これらの状態に関連する遺伝子の発現も確認する。条件検索の進捗にはやや遅延を生じているが、平成26年度に実施予定であった関連遺伝子の相同性検索を平成25年度に実施したため、遅延を取り戻すことは可能である.

次年度の研究費の使用計画

当初は実施を予定していなかった再現実験を実施したが,この実験では新規に必要な物品が少なく,すでに所持している試薬・培地で実験を行ったため。
平成25年度に生じた遅延を解消するために,クリーンベンチを新たに購入し実験の進捗を早める.

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公開日: 2015-05-28  

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