研究実績の概要 |
低分子量代謝物をターゲットとしたバイオマーカーの探索と平行して菌体のリボソームタンパク質をマーカーとして微生物種の同定可能性の有無について検討した。具体的には、サンプルの菌体から抽出したリボソームタンパク質を抽出し、LC-MSによりそのシーケンスを解析し、結果をゲノム解析され帰属されている既知の微生物出比較することにより同定可能性の有無を判断した。加えて、16Sリボソームリボ核酸遺伝子塩基配列解析も併せて行い、結果の確からしさについても検討し、双方の結果に差違がないことが確認された。最終的には1H-NMRを利用し精密質量分析から示唆された組成式と共に帰属を行い、マーカー化合物の特定を実施した。先に特定したバイオマーカーの妥当性を確認するため、申請者らが保有しており、しかも菌株名と塩基配列が判明している微生物株Acetobacter aceti, Acetobacter xylinumなど約25種類を利用し、培養条件や抽出溶媒などを変化させ、先に特定したバイオマーカーを利用したスクリーニングを行い判別精度の確認を行い概ね95%以上の同定精度を確保した。METLIN Personal 代謝物データベースの構築機能を利用し判別した代謝物の情報の蓄積を実施すると共に、所属機関のデーターベースシステムを活用しオンラインでアクセスし解析するシステムの構築を実施した。
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