本研究では、心材物質の一種であるアガサレジノールの生合成を伴ったスギ放射柔細胞の細胞死を誘導する実験系を用いて、同一試料を化学分析と顕微鏡観察に供試し、経時的に解析を行うことで、一次代謝と二次代謝を含めた代謝活性の変化および自己分解に関わる重要な出来事が起こるタイミングを明らかにした。加えて、短命の木部細胞である管状要素のプログラム細胞死において重要な役割を果たすタンパク質分解酵素であるxylem cysteine peptidaseが、長命の木部細胞である放射柔細胞の生存期間において、どのような遺伝子発現パターンを示すのかをリアルタイムPCR解析により明らかにした。
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